計量器・はかり・計量法解説
【第11回】JCSSについての解説
はじめに
計量法トレーサビリティ制度は、平成5年11月に施行された改正計量法により導入された国家計量標準供給制度と校正事業者登録制度からなる制度です。
先端産業分野をはじめ、工業生産における高精度の計測や品質管理の信頼性確保を目的として、創設されました。
近年、経済活動の国際化に伴い、各国の経済取引に関する適合性評価手続きの根幹をなす技術的基盤として、計測のトレーサビリティの確保は益々重要になってきています。
JCSSは、校正機関の技術能力の登録により、信頼性のある計測の国家計量標準へのトレーサビリティを確保することで、様々な試験・校正結果の信頼性を根幹から支えるという非常に重要な役割を担っています。
計量法校正事業者登録制度(JCSS)とは・・・
計量法校正事業者登録制度(JCSS)は、計量法関連法規及びISO/IEC17025の要求事項に基づいて校正を実施する技術能力を校正事業者が持っていることを、製品評価技術基盤機構理事長名で登録するプログラムです。
本登録プログラムの認定機関であるIAJapan(製品評価技術基盤機構認定センター)は、ISO/IEC17011(JIS Q17011)に適合した体制及び手続きを整備し、校正事業者の登録を行います。校正の源である国家計量標準(一次標準:特定標準器等又は特定標準物質)は、計量法に従い、産業界のニーズや計量標準供給体制の整備状況等に基づき経済産業大臣が指定しています。
標章・認定シンボルと証明書
登録事業者は、特定標準器等又は特定標準物質により校正等を受けた計量器等(特定二次標準)又は、それに連鎖して段階的に校正を行った計量器を用い、ユーザの計量器等(実用標準)の校正等を行い、標章付きの校正証明書を発行できます。
さらに国際MRA対応認定事業者はILAC-MRAマークのついた認定シンボル付きの校正証明書を発行できます。認定シンボル付き校正証明書は海外でも測定のトレーサビリティの証拠として受け入れられています。
試験・校正事業者認定の相互承認について
ある認定機関が運営する認定プログラムが国際規格及び国際基準に適合していることは、一般的には国際的な相互承認(MRA)への署名という形で表明され、保証されます。