計量器・はかり・計量法解説
【第6回】電子天秤について
店長の白石です。第6回目は、デジタルはかりの中でも精度が高い、電子天秤について説明します。
電子天秤
高精度な計量ができるはかりが電子天秤(天びん)と呼ばれています。
電子天秤はセンサ別に3分類することができます。
電子天秤に使用されるセンサ特長1
1.音叉振動式はかり(音叉式)
音叉2個をつないだ形状の振動式に荷重を加えると振動数が変化します。
この振動数を測定して重量をはかる方式です。
音叉の応力歪みは、電気抵抗線式の1/10、出力感度は同50倍にあたり、分解能・安定性・再現性など、はか
りの基本性能に格段の違いがあります。
新光電子が開発したセンサのはかりです。
2.電気抵抗線式はかり(ロードセル式)
ストレンジゲージ(電気抵抗線式歪計)を貼り付けた金属に荷重を加えると、金属の歪により抵抗値が変化しま
す。
この抵抗値の変化を測定して重量をはかる方式です。
構造が比較的簡単でコストが安く、ひょう量の大きな測定に適しています。
3.電磁力平衡方式はかり(フォースバランス式)
磁石とコイルを組合わせることにより発生した電磁力で、加えられた荷重とバランスをとります。
この時、コイルに流れた電流値を測定して重量値をはかる方式です。
磁石の温度変化や経年変化を補正することで、高精度(分解能が高い)測定に適しています。
ひょう量が小さく高分解能には定評があります。
電子天秤に使用されるセンサ特長2
1.音叉振動式はかり(音叉式)
長期安定性(年単位のスパン変化例):良好(1/20万)
A/D変換(アナログ/デジタル):不要(デジタル出力)
センサの消費電力:極小(ロードセルの数十分の1)
耐ノイズ性:強い
ウォーミングアップ:不要
2.電気抵抗線式はかり(ロードセル式)
長期安定性(年単位のスパン変化例):低い(1/1万)
A/D変換(アナログ/デジタル):要(アナログ出力)
センサの消費電力:小
耐ノイズ性:弱い
ウォーミングアップ:要
3.電磁力平衡方式はかり(フォースバランス式)
長期安定性(年単位のスパン変化例):普通(1/5万)
A/D変換(アナログ/デジタル):要(アナログ出力)
センサの消費電力:大
耐ノイズ性:普通
ウォーミングアップ:要
電子天秤にも、センサによって呼び方が違ったり、各センサに特長があることがおわかりいただけたでしょうか。
当店では、すぐれた特長を持った新光電子の音叉式電子天秤をメインに販売を行っています。
- 2017.10.19
- 16:12
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